「いとしい想像力よ、
私がおまえの中でなによりも愛しているのは、
おまえが容赦しないということなのだ」
これは 詩人アンドレ ブルトンによる
シュルレアリスム宣言の中の一節。
自分でも把握できない位の想像力を持つ芸術家が
大集合しちゃった展覧会「シュルレアリスム展」を
六本木の国立新美術館で観てきました。
マグリット、エルンスト、デ・キリコ、ミロなどなど
20世紀を代表する芸術家たちが容赦しない想像力を
爆発させ発表した絵、オブジェ、映像がテンコ盛りの170点。
どれも奇妙キテレツで惹かれたのですが
はじめて観たアルベルト ジャコメッティの「テーブル」
マルセル デュシャンの「瓶掛け」がとくに好みでした。
はなから理解しようと思ってないから
複雑怪奇なシュルレアリスム論など無視して
現代美術のように楽しみました。
私は 20歳の頃から何年かの間
熱狂的にサルバドール ダリが好きな時期がありました。
好き過ぎて バルセロナのダリの街フィゲラスを訪ねたことも。
でもある時 その濃すぎて変すぎる世界が
急にお腹いっぱいになってしまい
しばらくダリからは遠ざかっていました。
今回この展覧会で2点だけ
ダリの作品があったのですが
10年以上たって再会したダリ様は…
やはり強烈でした!
「不可視のライオン、馬、眠る女」
というタイトルの暗い油絵なのですが
絵の持つパワーが尋常じゃないのです。
グワッと胸ぐらを掴まれて、
無理矢理起こされたかのような衝撃。
ダリ様、降臨です!
自分自身が強く安定してる時期じゃないと
ダリは受け止められないのかもしれません。
もちろん、どんな精神状態であれ
ダリやシュルレアリスム作品そのものが
苦手という人はいるでしょうけれど。