あの日から
いろいろ考えすぎて 心が揺れたけれど
はっきりと分かったこと。
震災に遭われた方たちには
いま一番必要なのは 充分な衣食住。
生き続けるための、最低限の栄養分。
なかなか難しいですが、
それらが行き渡ったときには
心にも 美しいもの 音楽 本や映画などのビタミンを
与えなくては 心が枯れてしまうということを
不安な気持ちを圧して参加した 「PARCOワンデイブックス」
を通じて感じました。
地震のあった次の日にもかかわらず たくさんの人が来てくださり
私たちのお店を覗いてくれたり 本や雑貨を楽しんでくれたりしました。
今回はじめて挑戦した「森の 絵本読みたがり屋さん」
では 多くの方に絵本を読むことができ 感謝しています。
つぶらな瞳で絵本と私の顔を交互に見ながら
楽しんでくれた6ヶ月の赤ちゃん。
お母さんに絵本を読んでもらった子どもの頃を
思い出したよと言ってくれた男性。
世界中を旅してみたいと目を輝かせ話してくれた
大学進学が決まったばかりの女子高生。
どんなに辛い状況でも想像力があれば強く生きられる事を
一匹のネズミが教えてくれる絵本「フレデリック」に
震災を重ね涙してくれた女性。
絵本がこんなにも人の心を揺さぶり
励ましてくれる友達のような存在であることを
再確認しました。
そして
口惜しくも命をおとされた方々は
かの地へ迷わず辿り着き 会いたかった人に会えますように。
震災に遭われた方々が
希望を捨てず 光射す方向を目指して進み
一日も早く 自由な暮らしができますように。
さいごに
仙台に住む妹と 関東に暮らすたくさんの友人に
いつも心にとめている 一篇の詩を贈りたいと思います。
「いつも心に太陽を 唇に歌を」
心に太陽をもて 唇に歌をもて
嵐がふこうと 吹雪がこようと
天には黒雲 地には争いが絶えなかろうと
いつも 心に太陽をもて 唇に歌をもて
軽く、ほがらかに
自分のつとめ 自分のくらしに
よしや苦労が絶えなかろうと
唇に歌をもて
苦しんでいる人 悩んでいる人には
こう 励ましてやろう
「勇気を失うな 唇に歌をもて
心に太陽をもて」
(ツェーザル フライシュレン
山本有三 訳)