大きな書店の書棚をくまなく見て歩くのが
週末の楽しみのひとつです。
最近買った本のひとつに
【アンソロジー カレーライス!!】PARCO出版 があります。
最近亡くなられた安西水丸さん
(たくさん仕事を遺されてますが特に絵本の挿絵が大好きでした。)や
池波正太郎、町田康、向田邦子、内田百聞などなど33人による
カレーライスについて書かれたエッセイ本です。
どこから読んでもカレーだらけのこの本、
めくってすぐにお腹が鳴りました。
なんと中の紙も黄色いカレー色なのが
更にカレー食べたい欲をそそります。
カレーと人はいつだって短時間の真剣勝負。
友達と食べに行っても
あまりペチャクチャと話をしながら食べたりはしないでしょう。
湯気の立った熱々のご飯に盛られた
辛いカレールーを目の前にすれば
どんな気どった女性だって素の自分に戻って大口を開けるはず。
家でも外でもカレーライスを食べる時は黙々と男っぽく。
そしてカレーと対峙した後に必ず来る爽快感がたまらなく好きです。
ちなみに、私はスープカレーよりも断然 どろっとしたルーカレー派です。
もう一冊は 絵本です。
【かないくん】
谷川俊太郎 作 松本大洋 絵 / 東京糸井重里事務所 発行
誰にも訪れる『死』について考える絵本。
はじめは、同級生を亡くした少年の視点から描かれる『死』が
後半はある老人とその孫の女の子の視点から見た『死』へと移ります。
いつ、どの世代の人が読んでも
それぞれの受け止め方が出来る本だと思いました。
お話を一晩で書き上げた谷川俊太郎さんに対し
松本大洋さんは挿絵を描くのに2年かかったそうです。
あまりに素晴らしい挿絵なので
詩的な言葉と合わせて眺めているうちに
涙がこぼれてきます。
ところで、松本大洋さんは子どもの頃
お母さん(工藤直子さん)に
「死んだらどうなるの?」と聞いたことがあるそうです。
お母さんはしばらく考えたあと「死なない」と答えたそうな。
さすが詩人だ。
かの草間彌生さんも 婦人公論のインタビューで
「わたしは死んでも生き続ける」と言い切っていて
いたく感動しました。
死生観について友だちや家族とじっくり
またはさっくりと話し合うのも
面白いかもしれません。
死んだらどこに行くんだろう 。
それは 生きてる人間には決してわからないことではあるけど
絵本の中で谷川俊太郎さんの出した答えに私も
『きっと たぶん、そうなるんだろうな 』と思っています。