メイクって毎日のことだからついワンパターンになってしまうのですが、
たまには違う顔に変身してみたくなるものです。
先日、CHANEL化粧品のカウンターで
東京から来た専属メイクアップアーティストによる
メイクのサービスを受ける機会がありました。
お名前は存じ上げなかったのですが
有名なアーティストらしく、
驚くほど透明感のある肌に涼しげなアイメイク
(ご本人のお顔がすでに作品)、
短い黒髪、スッと伸びた背筋に自信が溢れるクールなお姉さま。
私のしてもらいたいメイクは
パリコレのモデルがよくやってる、目の周りが真っ黒なモードメイク。
自分でやるとやりすぎて
“失敗したゴスロリ”みたいになってしまう難しいメイクです。
かつ60年代のアンナ・カリーナのような
コケティッシュさも兼ね備えて欲しい!
このわがままな希望に、
お姉さまはどう応えてくれるのかドキドキでしたが
すぐにピピッと来たらしく
「じゃあ完璧なコレクション用のメイクで行きますよ〜!」
と言って気合いを入れ
アシスタントに使用する化粧品の名前をフランス語で次々と告げていきます。
かっこいい〜
第一線で活躍しているプロはやっぱり違いますね〜。
どんな職業にも言えることですが、
仕事中の所作がそれはもう、美しいこと!
魔法のような手つきでメイクは完成。
気がついたら私の表皮はツヤツヤのむきたまごのように白く輝いていて、
気になっていたシミやソバカスはどこへやら。
しかも、それらをいかにも隠しましたの厚塗り印象もなく
ナチュラルな質感。
黒いアイメイクも、見た目のインパクトは凄いのですが
60年代風だけどちゃんと今のモード感があるメイクに仕上がっていました。
学校から帰った子どもをこの顔でモデル立ちで迎えたら
うわ〜〜!!と後ずさりされましたけどね。
(夜帰宅した夫も同じリアクションでした)
なんでもない日に家の中でパリコレのメイクでいるのは
ちょっと残念でした。
こんどは特別な予定がある日にしてもらいたいな。
プロっていえば NHKで始まった
連続ドラマ『ロング・グッドバイ』の世界観が
もう完璧にハードボイルドで
脚本、音楽、スタイリスト、俳優と名前を連ねている人たちが
一級のプロばかりでしびれました。
浅野忠信は謎を匂わす渋い探偵役ですが
タバコを吸うシーン、コーヒーやギムレットを飲むシーン
それらのアップと長回しがもう!
最近の軽くて内容の薄いテレビドラマの雰囲気とは別格。
大人のダンディズムを堪能できる
ウォン・カーウァイの映画のようです。
5回連続のこのドラマ、
久々にDVD永久保存版にしようと思っています。
やっぱりいい男にしか探偵役はできないね。
(『リバースエッジ』のオダギリジョーしかり)