先週は金曜の夕方から家族で関西まで飛んで
朝は京都で迎えました。晴天なり。
今回二泊した中京区にある小さなホテルは交通の便がよく
清潔で何の不都合もなかったのですが
ワンルームの和室風のお部屋が面白かった!
趣味の悪い柄のソファー、壁に埋め込み式のテレビ、
安っぽい壁紙。
どことなくヤンキー臭ただようこの部屋は
もしかしたら元カラオケボックスだったのでは?
と思わずにいられず、息子とふたりで
「ヤン臭ヤン臭〜!」
(ヤンキーくさいの意味で最近ふたりの間での流行語)
と笑いました。
自分たちで布団を敷くようにとのフロントの指示に
押入れから布団を取り出すも、二組しか入っていません。
「あの〜布団が二組しか入ってないんですが」
とフロントに電話する夫。
すると「ソファーの下部分を引っ張っていただくと
ベッドになります!」とのお返事が。
ヤンキーソファーがベッドに変身したので
またゲラゲラ。(ヤンキーベッドには夫が寝ることに)
お茶やコーヒーのパックが揃えられた引き戸を開けてみると
松茸のお吸い物のパックも入っていました。
「お吸い物があるのは珍しいなぁ」と思っていたら、
朝ごはんに「助六寿司」のパックが家族3人分、部屋に届きました。
レストランがないかわりに
朝食をデリバリーしてくれるホテルだったのですが 、
「松茸のお吸い物は助六寿司と一緒にどーぞ」
という心配りだったのです!
さまざまなホテルに泊まってきている我が家。
今まで面白い体験はいろいろとしてきましたが、
今回もなかなか不思議なホテルに巡りあったのでした。
でもやはり助六寿司だけじゃ足りなかった我々は
三条のイノダコーヒまで歩いて向かいました。
こちらの朝はいつも観光客や地元の方たちで混んでいますが、
今回は私の一番好きなテラス席が空いていました。
もう札幌は寒くて外でごはんは食べられません。
朝の眩しい光を気持ちよく浴びながら
大好きな『京の朝食セット』をオーダー。
ちょっと酸っぱくて甘いイノダの珈琲も
本店で飲むと美味しさが違うような気がしました。
さてここからは
『京都国際漫画ミュージアム』に向かった男チームと分かれて
ひとり歩きに。
今回、京都で布やリボンなどの材料を買うのが目的のひとつでした。
発売と同時に取り寄せたエルマガジン社の雑誌
『関西の手芸店』(バイブルにしたいほど素晴らしい内容)
でチェックしていた数店を、
バスを駆使して効率よく周ることができました。
手芸材料がぎっしり並んだ窓をみると
これから宝の山に突撃するぞと燃えてきます。
京都に来るたびに寄るパリの手芸店の趣きを感じるおなじみのお店も、
今回はじめて訪れた新しいお店も、
みんな店主は個性的なオシャレさんばかり。
ヴィンテージの洋服を上手に自分のものにしていて
流行?関係ないわ、って感じ。
色使いが絶妙だし国籍不明な雰囲気で、
関西のオシャレさんはいつも素敵だなぁ
と思うのです。
そのような人たちと 古い布やレースを一緒に愛でながら
それらに関するエピソードを聞いたりして、
至福のひと時を過ごしました。
これは持ち帰った材料たちの一部です。
フランスやポルトガルから来たヴィンテージの布やリボン、
70年代の日本の布。
新しい材料に鋏を入れるのが楽しみです。
買い物を終えて丸太町の「かもがわカフェ」に
トイレ休憩も兼ねて寄りました。
山のロッジ風の開放感ある作りで、
マスターが、知り合いだろうが一見さんだろうが
「いらっしゃーい」と気さくに迎えてくれる温かいお店。
私が座った窓側席からは鴨川と大文字山が見えました。
飲んだ珈琲の名前は「大文字ブレンド」。
かもがわカフェから歩いてすぐの場所で
元・恵文社店長の堀部さんが開いたばかりの書店、
「誠光社」に寄りました。
ジャンルごとに新刊と古本が一緒に並ぶ棚に
ちょっとだけ雑貨も置かれていて
雰囲気はやっぱりとてもお洒落でした。
(ざっくり言うなら西のcow booksといった感じ)
堀部さん自らが選書をした本を
直接出版社から仕入れることで双方の利幅を確保し、
また堀部さんと奥さまが店番をやり、
ときどき本関連のイベントも開くというスタイルの書店なのだそうです。
丸太町がより楽しくなりそう。
必ず寄りたいお店がまた増えました。
誠光社で買った二冊。
石井桃子さんの短編創作集「においのカゴ」は
帰りの飛行機で読むために。
小さな長細いお店の突き当たりに堀部さんがいらしたので、
去年札幌の「たべるとくらしの研究所」で開かれた
トークショーに参加した旨を伝えました。
そしたらサリンジャーの未発表小説のタイトルをイメージして作った
オリジナルポストカードの紹介をしてくれ、
さらに京都のおすすめ中華料理店を丁寧に教えてくれました。
その日の夜は家族とこちらのお店で御飯を食べる予約をしていたので、
残念ながらおすすめのお店には行けなかったのですが。
二条にある中華料理店「大鵬」。
気どらない店構えですが、とても清潔で活気のあるお店でした。
出てくるお料理は超一級!!
四川料理なので辛味を感じるタレが多いのですが
油と材料が良いのでしょう。爽やかさすら感じました。
有機京野菜を使った海鮮野菜炒めも
上海蟹の小籠包も優しい味で、
シェフの気迫を封じ込めたような活きの良い口触り。
いま思い出してもよだれが出ます。
次々と地元の予約のお客さんがやってくる大人気店。
噂に違わず京都の中華料理店は素晴らしく、
紹興酒がすすむ夜だったのでした。