それにしても時間がかかった〜!
クリスマス3連休の朝、「ある人物」を追いかけて
ひとり車で苫小牧に向かいました。
この日札幌は50年ぶりの大雪が降り、
一日で積雪は90センチを超えました。
高速道路は封鎖され、道路はどこも大渋滞で。
普通なら1時間半で到着するのに
4時間半もかかってしまったのです。
面白くもなんともないオチになりますが
私が追いかけた「ある人」とは息子のことで、
バスケの大会のため3泊4日の合宿に出かけた彼の試合を見て
美味しいものでも食べようと
苫小牧へ一泊旅行に出かけてきたのでした。
到着がとんでもなく遅れたので
第1試合を観ることはできなかったのですが、
次の試合は開催時刻が遅れていたために 、
ちょうど息子が試合に出る瞬間に立ち会うことができました。
そしてこの日チームは見事予選を通過し、
決勝トーナメントに駒を進めました!
チームが強いと道内各地で開催される大会に参加できるわけで、
これからも色々な場所に遊びに行けたらいいなぁ
と半分観光旅行気分でいる私。
夜7時。
日中用事があった夫とこの日の晩は
苫小牧のレストランで待ち合わせをしていました。
創業97年という老舗の洋食屋さんは
昭和クラシックな雰囲気の中 静かにオペラが流れ、
とっても素敵でした。
なのに客は私たったひとりで
時が止まったかのような気がしました。
銀髪に真っ赤な口紅、
グレーのタートルネックを着た上品なマダムが現れ、
「ようこそいらっしゃいました。
5時半に予約の札幌からのお客様がまだいらっしゃいませんのよ。
この雪ですものね〜ウフフ…」
と可笑しそうに笑って迎えてくれたので
ホッとしました。
日本に西洋文化が伝わった頃のムードを感じさせる
真っ赤なメニューがかわいらしい。
ハヤシライスにビーフシチュー、
コロッケ、子羊のカツレツと
魅力的な洋食メニューが並んでいて目移りしました。
夫は予約時間までにJRでやって来る予定だったのですが
やはり電車が動かず遅刻の模様。
とりあえず牛タンの塩漬けをつまみに
ビールを飲みながらのんびり待つことに。
しばらくして雪まみれの夫がやって来たので一安心し
私はメインにエビフライを頼んでみました。
やっぱり洋食屋さんのエビフライは最高。
タルタルソースをたっぷりかけて食べる揚げたてのサクサクエビフライ、
とっても美味しかった!
思えばクリスマスに二人きりでごはんを食べるなんて、
13年ぶりのこと。
これまではクリスマス近辺は
たいてい3人で京都方面や東京で過ごしていたけど、
まさか部活の大会と合宿をクリスマスにぶつけてくるなんて。
大食いの息子がいないのは寂しくもありましたが
大人だけでゆっくり過ごすディナータイムは
不思議で新鮮。
そう遠くない未来はずっと二人だけでの食卓にまた戻ると思うと、
その寂しさに慣れる予行練習のような気もしました。
次の日のクリスマスイブは快晴。
鼻が赤くなるほどキンと冷えた空気が気持ち良い朝、
駒大体育館にて大会の続きが始まりました。
決勝トーナメントまで勝ち上がってきたチームは
さすがにどこも強豪ばかり。
残念ながら息子のチームは健闘むなしく
ここで敗退してしまいました。
悔しくて目に涙を浮かべる先輩たちの背中を見て
「来年は俺ら中心に頑張ろうぜ!」とでも思っているのかな〜と
息子たち1年生に目を向けると、
車座になってガツガツと唐揚げ弁当を食べ始めていたのでした。
ずいぶんあっさりしてんのねー。
子供たちの合宿はまだ続きますが
私たちは試合を見なくてよくなったので、
お昼ごはんを市場の食堂で食べてから帰ろうということになりました。
(うちのグルメ調査隊長、またまた大活躍)
苫小牧は海の街。
そしてホッキ貝の漁獲高日本一の街ということですから
素通りはできません。
市場の中にある寿司屋に入り
ホッキ貝やホタテ、えび、鮭、カレイのエンガワなど
北海の幸がのった海鮮丼と、
今が旬の真だちのお吸い物をお腹に収めて大満足。
小学生の娘さんの話ばかりするお喋りな大将と
歯が1本抜けた茶髪のお母さんがいるお店だったのですが、
そのお母さんが
「こないだこのカウンターに三代目J Soul がズラッと座って
ホッキ貝カレー食べていったんだよ」
と教えてくれました。
苫小牧の場末の寿司屋(失礼)のカウンターに三代目。
それは異様にギラギラと黒光りした光景だっただろうなぁ。
しかしなぜ全員カレー。どんだけ仲良し?
海鮮メニュー他にも沢山あるのに?
そんで大将の話はいつ終わるんだ?
いろいろな思いが交錯するランチタイムでした。