試合会場の旭川に向かう前に
美瑛にある雑貨店「スイノカゴ」に寄り道しました。
雨降りだったのと
方向を間違って時間を大幅にロスしてしまったのもあり、
美しい丘陵地を楽しむ余裕はなかったのですが。
どうしても見たかったのは
LAVVO(結城伸子)、ノグチダイスケ、Skantiqueの三組による展覧会、
「移ろいの足跡展」でした。
LAVVO 結城伸子さんは
海や森で拾い集めた自然のかけら達を標本にし、
生きていたときとはまた違う輝きを持たせるアーティストです。
彼女の活動を、美しい写真とともにまとめた
「海と森の標本函」という本を読んでから
ずっと作品を見てみたいと思っていました。
今回は、森に転がるどんぐりたちを集めた標本函を
ひとつ手に入れることができました。
どんぐりひとつとっても
自然の生み出す形はそれぞれ個性があって
見つめるほどに不思議な魅力を感じ、
飽きさせません。
森だけじゃなく 海にも宝物はたくさんあります。
私も子どもの頃から
海で気になる形の貝殻や漂流物を持ち帰ることがあったのですが、
(写真に散らばる貝殻や小石がそれです)
そういう行為を「combing」コーミング=
櫛で浜辺を梳くように美しい自然の物を探すこと
と言うそうです。
結城さんがさまざまな場所でコーミングした
海の宝物たちを使ったオブジェの中で一番見てみたかった
「ウニのピンクッション」がありました。(写真・左手前)
なんてきれいなピンク色だろうと胸が弾みました。
もちろん着色などしていない、自然な色です。
トゲを取り除くと、その毛穴にこのような色がついているそうです。
遠くの海からやってきたこのウニの殻には、
私の作業机の上でこれから第二の人生を送ってもらいます。
自然造形家のノグチダイスケさんによる
枝や葉っぱを大胆に飾り付けた店内装飾や
針金を使って作った伊達メガネなども
とても素敵でした。
まるで店内の一角が植物園であり、
植物研究家の書斎のよう。
スウェーデン在住・Skantiqueの由貴子さんがセレクトした
アンティーク雑貨も相まって、
違う時代にタイムスリップしたかのような異空間でした。
ここに写真を載せられたなら
すぐに雰囲気をお伝えできるのですが、
展覧会の様子をカシャカシャと撮影するのは
どうにもためらわれるのでありません…。
Skantiqueのアンティーク品からは、
木製の天秤を持ち帰りました。
古い天秤の裏には鉛筆で1946と書かれています。
時を経て柔らかみを帯びたエメラルドグリーンと
ミルク色のバランスが甘く、私好みでした。
さてこのかわいい天秤をどんな風に飾ろうか?
少々難易度が高く頭を使いそうですが、
いろんな国や時代から来た
古い木の玩具や人形を飾っている我が家には
すぐに馴染んでくれそうです。