やったー!
雰囲気も味もすごーく好みのカフェに
南円山で出会いました、
普通のカフェのようにスイーツ類がたくさんあるわけではなく
「グラスケーキ2種類」と飲み物だけで勝負しているお店なので
気安くカフェとは呼べない男らしさを感じます。
その名も、café coucou 。
スペースはそれほど広くなく、
カウンター席と大テーブルひとつだけという小さなお店なのですが
古い椅子にはミナのDopの生地が張られ
(長年の使用により生地がはげてきても
下に更に違う色の生地が出てきてその変化も楽しめるという生地)
トイレの壁紙はウィリアムモリスのバード柄で
星や動物のオブジェや
生き生きとしたお花がいくつもさりげなく飾られていたりと
店の雰囲気がとにかく、まるで私の夢の小部屋。
そしてなによりも素晴らしいのが
毎月テーマを決めて提供される
グラスケーキの完成度の高さです。
2つあるメニューのうち私が選んだのは
タイトルからして決まりの
「PINK ! PINK ! PINK !」。
メレンゲ、ソース、ゼリー、クリーム
すべてに色の深さが違うピンクが使われたケーキ。
スイートな見た目に反して甘さは極限まで抑えられているので
(何なら甘さは入ってない?くらいの)
香りや食感が楽しめ、優しく繊細な味に
幸せ気分いっぱいで目を瞑ってしまうほど。
カウンターの中でこの素晴らしいケーキを作っているのは
たぶんオーナーでもあるお若い女性です。
オーダーが入ると黙々と作業をし
私の熱視線にも決して目を合わせない、
かなりシャイな方。
しかしお客が帰るとなると
カウンターからサッと出てきて
出口で深々と頭を下げ見送る様子は
クラブのママか寿司屋の大将のよう。
カフェで出口まで丁寧に見送りに来てくれるお店は
私の知る限り神保町の喫茶店さぼうるのマスターくらいだ…。
子リスのようにかわいらしい女性なのに
自分のお店と客に対する内に秘めたる思いは
かなり熱い人なんだと
グラスケーキをひとくち食べただけで伝わってきました。
こんな風に仕事にでも何にでも
一生懸命な人が好きだ〜!
そう。ここはカフェではなく、BARのようなお店なんだ。
ひとりで甘いお酒が飲みたくなったら
寡黙なマスターが自分だけのために
一杯のカクテルを作ってくれる。
そんな由緒正しいBARのようなお店なんだわ!
清々しい感動と熱い妄想に包まれながら
彼女の作業の手を止めさせたくなかった私は、
オーダーがひと段落ついた様子を見計らってから
席を立ったのでした。